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2024/11/30 15:13

オーデンセに着いた翌日は,カールハンセン&サンの本社に訪問です。
もうずいぶん前になりますが、自身の婚礼家具を選びに行った家具店で初めてYチェアを見て以来、Yチェアは私が大好きな椅子です。そしてそれを製造する会社、カールハンセン&サンをいつか訪ねてみたいと思っていました。

そして、ミニチュアに関してカールハンセン&サンジャパンに初めて連絡をとったのは2016年のことです。その後、本社に訪問し工場見学させていただきたいこと、そしてKnud Erik Hansen社長にお目にかかりたい旨をお願いしてきました。それが今日実現するのです。
しかもしかも、Knud Erik Hansen社長とInger夫人からご自宅でのディナーにご招待いただいたのです。なんともありがたく、こんな日が来るなんて信じられない思いです。

朝、ホテルまでカールハンセン&サンのセールスディレクター Mr. Tobenが迎えに来てくれました。なんというVIP待遇。ありがとうございます。
車で約30分でGelstedの本社に到着です。かなり広いです。写真や動画で見覚えのあるピラミッド型のフラッグシップストアーの前で車を降り、中に入ります。整然としています。
見学者が身に着ける黄色いベストを着て、さっそく工場見学です。
木材倉庫、木取り、加工、組み立て、塗装、仕上げという順で見学させていただきました。

私は会社員時代、27年間複数の家具メーカーの開発部門で働いていましたので、工場内の様子は想像できるのですが、まず以外だったのは室温です。この日も最高気温14度とかなり涼しかったのですが、工場内部は適温で木材倉庫ですら外の風が吹き込んでくることがありません。作業者は皆Tシャツ一枚です。その中で皆さん決して急ぎすぎることなくテキパキと仕事しています。

見学中Yチェアのミニチュアと共に工場内を撮影しました。うれしかったのはミニチュアを見て、クラフトマンの皆さんが集まってくれたことです。みなさんとてもうれしそうでした。
写真撮影についてMr. Tobenから、作業をしている社員の顔と機械は撮影してはいけない、と注意を受けていましたが、この写真は許可されました。
あと、機械を撮影しないよう心掛けたので、自然と撮った写真は塗装と張りと仕上げのエリアが中心です。
もっとたくさん撮影すればよかったと後で思いましたが、なにせ見学に夢中でした。

昼食は大勢のクラフトマンと共に社内の食堂でいただきました。この食堂がまた広くゆったりとしており、その内容もホテルの朝食ブッフェのような食事です。美味しかったし、飲みものもいろいろ選べました。ここで働く皆さんがうらやましい。
しかし、昼休みは30分未満だそうで、皆さんはすぐに食べ終わり仕事に戻っていきます。これは午前の仕事モードを維持したまま午後の仕事にかかるためだそうです。ある意味厳しいみたいですが、それは早く仕事を終えて早く家に帰るため。そして家族との時間を大切にしたいという考えからです。デンマークは日本より短い労働時間で生産性が高いといわれますが、このあたりにもポイントがありますね。

私が勤めていた日本の家具メーカーの工場の勤務時間は会社によって多少違いますが、12時から昼休みが50分、午前10時からと午後3時から休憩各10分でした。これを話すと、デンマーク人はこういう管理を一番嫌うそうで、もしこれをやったら皆すぐ辞めてしまうだろうということでした。

途中、カールハンセン&サンのホームページの動画で見覚えがあるクラフトマンや見覚えがあるYチェアの入れ墨の人にも会い言葉を交わすことができました。

特筆すべきは雰囲気の良さ!です。案内をしてくれたMr. Tobenはセールスディレクター ですが、日頃から工場の皆さんとはとても良好なコミュニケーションが取れているらしく、工場内のあちこちで声をかけたり、かけられたり、とにかく雰囲気が良いのです。会社全体の一体感を強く感じました。Mr. Toben曰く、社員の担当もその役職も関係なく皆平等に相対しており、それが社員に長く働いてもらうことにつながる、とのことでした。そしてこの考え方はデンマークの企業に共通しているそうです。

それと、トイレは男女別ではありません!トイレの入り口のドアはひとつだけ、そこを入ると広い手洗い場があり、周囲にたくさんの個室のドアがあります。そこは床から天井まで仕切られたかなり落ち着く完全個室。これなら男女共用も納得です。
コペンハーゲン中央駅でもトイレは有料トイレだけでしたが、完全個室タイプでした。いわゆる男子用小便器などというものはありません。これが現在のデンマークでは普通なのでしょう。でも以前は違ったようです。今宿泊中のホテルにはカジノがありますが、カジノ横のトイレは男女別で小便器もありました。ただ平均身長が高いデンマーク人に合わせているため、小便器の位置が異様に高く、そこに我が物を乗せてしまわないように多くの日本男子はつま先立ちをする必要があるでしょう。余談でした。

私が工場内のあちこちで立ち止まり、動かなくなるものですから昼食を挟んで3時間以上も見学させていただきました。長時間に渡りありがとうございました。

このあと、アクセサリー部門のMs. UllaとMr. Larsとミニチュア家具についてミーティングしました。私が作るミニチュアに関心をもっていただき、工場見学だけでなくこのような機会をいただいたことに感謝します。

フラッグシップストアでしばらく休憩後、さあこれからKnud Erik Hansen社長のお屋敷に向かいます。