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2023/01/09 21:38

2022年の1~2月「あるプロジェクトに参加のため」として販売を休止していましたが、どのような仕事であったかをご報告します。約2カ月間、カールハンセン&サン社のEmbrace sofaのミニチュアを製作していました。
これからその製作記を書こうと思っています。
これまたマニアックかもしれませんが、興味がある方はぜひご覧ください。

製作のきっかけ

「新発売されるEmbrace sofaのミニチュアを製作できないか?」という問い合わせをいただいたのは2022年1月のことです。それもカールハンセン&サン社から!
驚き、喜びとともにまず考えたのが自分に作れるだろうか、ということでした。
私はこれまでダイニングチェアのミニチュアを主に作っており、クッションなどを作った経験がありません。カールハンセン&サンのサイトでEmbrace sofaを調べると、パイピングの美しい仕上り感についての記載がありました。それなら特にパイピングには注力しないといけない。パイピング!どうやって作る?

パイピングとは、張地と張地の縫い合わせ部分の美観と強度のために、細いパイプを張地でくるんだものを挟み込むことです。

実物では直径数ミリ程度の紐状のものが表面を通っているように見えます。
ミニチュアサイズは1/10ですが、布の厚さは1/1のままなので、実物と同じことはできません。

すぐに試作に取り掛かりました。考えたのが、なるべく柔らかい木材を削って形を作り、表面に布を貼る方法です。早速、布用の接着剤を数種購入し、試しました。
試行錯誤してパイピングを表現し、カールハンセン&サン ジャパンにご了解をいただきました。

自分にできる限りの品質に仕上げないといけないのは当然です。同時に、納期を約束したらこれは絶対に守らなければいけない。
今回のミニチュアは営業ツールとして活用されるのでしょうから、開梱した時の見やすさ、取り出しやすさを考慮しつつ、破損防止のクッション材を完璧にして、しかも持ち運びしやすいサイズのケースに入れることが必要だと考えました。
そして再梱包が簡単であること。クッション材仕様を考え、箱屋さんにケースを注文、クッション材の加工から梱包するまでの時間を考慮し、逆算して製作スケジュールを決めました。緊張します。